「千賀滉大は10勝できる!」と薮田安彦は絶賛 藤浪晋太郎には「投球フォーム、投球スタイルの変化が必要」と指摘 (2ページ目)

  • 水道博●文 text by Suido Hiroshi
  • photo by Getty Images

── これまでメジャー1年目に10勝した日本人投手は7人います。95年の野茂英雄投手(13勝6敗)、02年の石井一久投手(14勝10敗)、07年の松坂大輔投手(15勝12敗)、10年の高橋尚成投手(10勝6敗8セーブ)、12年のダルビッシュ有投手(16勝9敗)14年の田中将大投手(13勝5敗)、16年の前田健太投手(16勝11敗)。それぞれ決め球は違いますが、フォークが一番効果的というわけではないのでしょうか。

薮田 フォークが有効であるのはたしかですが、フォークとストレートだけでは苦しい。千賀投手にしても、ストレートとフォークだけでなくスライダーとカットボールを織り交ぜながら、長いイニングを投げるのが今後の目標になっていくと思います。

── どの球種を投げるか、日本では"捕手主導"ですが、メジャーは"投手主導"と聞きます。

薮田 今季から、投手がボールを受けとってから「走者なしが15秒以内」「走者ありが20秒以内」に投げないといけない"ピッチクロック"というルールが適用されました。たとえば大谷翔平選手(エンゼルス)はそれに対応できるように"ピッチコム"という機器を利用して、自分の投げたい球種を捕手に伝えます。短い投球間隔が気になるか否かは人ぞれぞれですが、いずれにせよ千賀投手もピッチクロックやピッチコムにうまく対応できるかどうかがカギになってくるでしょうね。

── チーム的にはどうでしょうか。

薮田 メッツは昨年ナ・リーグ東地区2位。WBCでケガをした守護神のエドウィン・ディアスの離脱は痛いですが、打線も打ってくれますし、千賀投手を援護してくれています。ローテーションをしっかり守って投げることができれば、自ずと白星は積み重ねられると思います。

【藤浪が打たれているのはスライダー】

── 藤浪投手が所属するアスレチックスは、昨年ア・リーグ西地区最下位。それだけに藤浪投手への期待は大きかったと思います。

薮田 メジャー初登板から3試合ほど見ましたが、球威があって、打者が振り遅れるシーンもありました。ボール自体は通用していると思うので、あとはストレートのコントロール、変化球の精度がもっと必要になってきます。打たれたシーンを見ても、スライダーが多い。曲がり幅が小さく、甘く入ってくるところを打たれている印象です。

2 / 3

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る