ダルビッシュ有の次なる目標は? 史上3人目の日米200勝、奪三振「野茂超え」そしてパドレス創設55年目初のWS制覇 (2ページ目)

  • 宇根夏樹●取材・文 text by Une Natsuki
  • photo by Getty Images

【歴代5位はガリクソン?】

 さらに将来的には、野茂の123勝を上回るだけでなく、150勝に達する可能性も皆無ではない。

 ダルビッシュとパドレスは今年2月に6年1億800万ドル(約142億円/2023年〜2028年)の延長契約を交わした。この契約期間中にシーズン平均9.2勝を挙げると、通算150勝となる。現在36歳の年齢からすると、容易ではないものの、過去10シーズンは平均9.5勝だ。

 また、ダルビッシュは日米通算200勝にも近づいている。こちらのマイルストーンには、あと12勝でたどり着く。メジャーリーグで1シーズンに12勝以上は、昨シーズンが3度目。2012年と2013年に16勝と13勝を挙げ、昨シーズンは16勝を記録した。

 日本プロ野球とメジャーリーグで投げ、合わせて200勝以上は、野茂と黒田のふたりが達成している。

 野茂はNPB78勝とMLB123勝で計201勝。NPBの白星は1990〜1994年に近鉄バファローズで記録した。MLBで手にした白星のうち、約3分の2の81勝はドジャース時代に挙げている。

 黒田の日米通算勝利は野茂を上回る。NPB124勝とMLB79勝で計203勝。その内訳は、1997年〜2007年に広島東洋カープで103勝、2008年〜2011年にドジャースで41勝、2012年〜2014年にヤンキースで38勝、2015年〜2016年に再び広島で21勝だ。

 もっとも、野茂と黒田に続き、日米通算200勝の3人目となるのはダルビッシュではないかもしれない。

 田中は今シーズンの開幕戦でエスコン・フィールド初の勝利投手となり、日米通算191勝としている(2登板目の4月6日は7回1失点で黒星)。現時点ではダルビッシュより3勝多い。昨シーズンの田中は9勝だったので、今シーズンも同数の場合、日米通算200勝は来シーズンに持ち越しとなるが、田中のシーズンふたケタ勝利は12度を数える。NPBとMLBで6度ずつだ。

 ちなみに、日米通算180勝以上は6人が記録している。203勝の黒田、201勝の野茂、191勝の田中、188勝のダルビッシュに、あとのふたりは、183勝のビル・ガリクソン(MLB162勝・NPB21勝/1988年〜1999年読売ジャイアンツ)と182勝の石井一久(NPB143勝・MLB39勝/2002年〜2004年ドジャース→2005年メッツ)だ。日米のいずれでも80勝以上は、ダルビッシュしかいない。

2 / 4

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る