ヌートバーはなぜ日本人の心をつかめたのか? ポイントは「高校球児感」「泥臭さ」「笑顔」ジャーナリストが解説 (2ページ目)

  • 小林 悟●取材・文 text by Kobayashi Satoru
  • photo by Kyodo News

●日本人好みの「泥臭いプレー」

 WBCのハイライトでもよく取り上げられるのが1次リーグ韓国戦での、ヌートバーのダイビングキャッチ。前日の中国戦でもスライディングキャッチで観客を沸かせた。

「センターを守るヌートバーが、必死にボールを追いかける姿が印象的でした。ぎりぎりで捕球して、試合の流れをたぐり寄せたのはもちろん、身をていして捕りにいく勇気がみんなの心に響いたのだと思います。

 その試合は東京ドームでした。人工芝なので、めくった下は固いコンクリートでケガをするリスクが大きいんです。土のグラウンドや天然芝に慣れているヌートバーがボールに飛びついていく姿は、彼が日本代表にかける心意気の表れでした」

 打撃でもガッツが見られた。

「注目すべきはヒットよりも、大会を通じて記録した6つの四球。ヌートバーは、南カリフォルニア大学時代から選球眼に定評がありました。

 ヒットやホームランで目立たなくてもいい。じっくりボールを見極め、なんとしてでも塁に出る。こうした泥臭さが日本の野球ファンにはたまらない、応援せずにはいられないんです」

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