筒香嘉智のメジャー昇格の可能性は10段階で「2、3くらい」。レンジャーズ専門メディアの記者3人が語ったリアル評 (3ページ目)

  • 澤良憲●取材・文 text by Sawa Yoshinori
  • photo by Kyodo News

 では、筒香はキャンプでどのようなアピールをすればいいのか。サンダース記者もアール記者も「とにかく塁に出ること」と口を揃える。

 サンダース記者によれば、今のレンジャーズのラインナップでは、レフトの選手は下位の8か9番打者になるという。「その打順の打者に傑出した数字は求められない」というが、筒香はヒットで出塁すること、場面によってはランナーを進めて上位打線に回す、という働きが必要だ。オープン戦中にその役割が果たせなければ、開幕をメジャーで迎えることはなくなるだろう。サンダース記者は「筒香の結果は予想できないので、とにかく見守るしかないでしょう」と冷静だ。

 開幕をマイナーで迎えることになると、シーズン中の昇格はさらに難しくなる、という指摘もあるが、「マイナーで打撃が好調なら、レンジャーズであれば昇格のチャンスはあるかもしれない」とスイート記者は予想する。同記者によると、レンジャーズではマイナーで好調な選手を昇格させることがよくあるそうだ。

 また、レンジャーズは今季からブルース・ボウチー監督が新たに指揮を執ることになった。サンダース記者は、新監督がさまざまな起用を試みることを予想し、「ケガ人が出た場合、少なくともシーズン序盤は、プロスペクト(若手の有望選手)ではなくベテランを昇格させるかもしれない。(ケガ人が出れば)ヨシは4月か5月に昇格する可能性もあります」という。

 筒香の立場は厳しい。しかしどの記者も、筒香がメジャー3年で残した110安打、18本塁打、75打点という数字は決して悪くはないと見ているようだ。アール記者が「彼が自分のペースを掴んで、(レンジャーズの)外野陣をよくしてくれることを望みます」と話すように、今回話を聞いた全員が筒香に対してポジティブな印象を抱いていた。

 筒香は、来月からのキャンプでどれだけいいパフォーマンスを見せられるのか。現地の期待は決して高くはないが、新たな環境で最高の結果を出してくれることを信じたい。

プロフィール

  • 澤良憲

    澤良憲 (さわ・よしのり)

    米国カリフォルニア州在住。カリフォルニア大学卒業後、ロサンゼルスや東京でテレビ、CM、イベント制作のコーディネーターを経てスポーツライター/フォトグラファーに。現地ではYOSHI SAWAとして活動中。『プロカメラマンFILE 2023』(カラーズ)掲載。

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