レッドソックス吉田正尚には「大型契約も納得」、メッツ千賀滉大は「B評価」。各球団の専門メディアの評価は正反対 (4ページ目)

  • 澤良憲●取材・文 text by Sawa Yoshinori
  • photo by Kyodo News

 正直なところ、地元メディアの千賀への期待は高いとは言い難い。ただ、千賀が早くメジャーに適応できれば、ニューヨーカーからの評価を上げることはできるだろう。

 そうするためにはどれほどのパフォーマンスが必要か、求められる成績をボイル記者に予想してもらった。

「試合に出続けることができれば、勝利数は大して気になりませんが、10勝できれば最高ですね。また防御率は3.30以下が目安になるでしょう」

 千賀は、健康で1年間ローテーションを守ることが、信頼と評価を得るためのカギになりそうだ。

 最後に「千賀はWBCに出場してもいいと思うか」と聞くと、「WBCのマウンドに立つことは、メッツの選手が(ヤンキースタジアムに近い)ニューヨークのタイムズスクエアを歩くのと同じぐらいのリスクがある」と冗談を交えながらも、「個人的にWBCはあまり好きではないのですが、彼は日本代表の一員になるべきだと思います」と理解を示した。

千賀は結局、日本時間1月15日に発表されたWBCのメンバーに名を連ねなかったが、今でも現地では「千賀は日本を代表する選手」という認識であることは間違いないようだ。

 現地の識者による吉田と千賀の評価や期待感は正反対だった。しかし、ボストンもニューヨークも辛口のファンが多い地域。実際にシーズンが始まったら、今の評価が逆転することも大いにあり得る。

 果たして、彼らは1年目からチームや地元ファンの期待に応えられるのか。まずは3月のMLBオープン戦やWBC本戦での活躍が楽しみだ。

(藤浪晋太郎との契約はアスレチックスの「時間稼ぎ」と現地記者。MLB挑戦を歓迎も「もう1年阪神で頑張ってもよかった」>>)

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