佐々木麟太郎のスタンフォード大進学は「あっぱれ」 OBのマーティ・キーナートが同校の学業やスポーツ文化などを解説 (3ページ目)

  • 永塚和志●取材・文 text by Nagatsuka Kaz

【スタンフォード大野球部の環境】

―― 佐々木選手の野球選手としての印象について、マーティさんはどう感じていますか?

「あの体格、普通だったらバットスイングできないくらい大きいですよね(笑)。友だちに彼が6フィート1インチ(約185cm)で250パウンド(約113kg)だよと伝えたら、『そんなにでかいの!?』と驚いていました。

 だから、彼を見ていて思い出すのはセシルとプリンスのフィルダー親子。メジャーリーグで本塁打王に輝いた2人の身長と体重(セシルは現役時代191cm、125kgほど、プリンスは180cm、125kgほどだった)はすごく似ていますよね。

 でもスタンフォードにはすばらしいトレーナー、ストレングス&コンディショニングコーチがたくさんいます。麟太郎くんは最高のコンディションになるんじゃないでしょうか。彼が絞ったらどれくらいの速さになるか、楽しみです」

―― スタンフォードの球場は、マーティさんの学生時代と現在では違う場所を使っているのですか?

「そこは変わっていません。1931年にできたSunken Diamond(「サンクン・ダイヤモンド)という古い野球場なのですが、最初はアメリカンフットボールのスタジアムを作るために(隣接の野球場建設地から)土を掘って、そのスタジアムを作ったんです。だから(フィールドは)浅くなっているのですが、すごくきれいで、アメリカの大学の野球場ではトップ10に必ず入るほどです。

 僕がやっていた時はセンターが深くて(約152m)、センターへ打ってホームランにするにはランニングホームランにするしかなかった。今はもう普通のディメンション(広さ)になっていて、センターは400フィート(121m)になっていますし、すごくきれいな球場だから麟太郎くんはラッキ―ですね」

―― 佐々木選手は当然、多くのホームランを期待されることになりますが、サンクン・ダイヤモンドは、ホームランは出やすい球場なのでしょうか?

「グラウンドが低くなっているから、風があってもあまり影響はないです。だから、まあまあホームランは打ちやすいですよ」

――2024年からはリーグが長年所属してきた「Pac-12・カンファレンス」という西海岸の大学が中心で構成されたところから、東海岸校中心の「アトランティック・コースト・カンファレンス(ACC)」に移ることとなりました。

「クレイジーですね。本当に理解ができない。だから、麟太郎くんも入ってから移動が大変になりますよ」

―― スタンフォードのデイビッド・エスカー監督はチャーター便の使用を示唆していました。

「多くのチームはそうしないと大変ですからね。Pac-12のチームも(さまざまなリーグへ移って)バラバラになったので、そういうチャーター機の使用も多くなるんじゃないかなと思いますよ」

―― ACCも野球が強い学校が揃っています。

「まあ、そういうメジャーなところはどこも強いです。ただ、スタンフォードは全米一に2度なっていますし、ナショナルチャンピオンシップ(カレッジ・ワールドシリーズ)には19回出ている常連です。だから、麟太郎くんがナショナルチャンピオンシップでプレーする可能性は非常に高いですね」

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