元・東大野球部スラッガーが司法の道へ 辻居新平の文武両道の極意は「勉強でもスポーツでも本気でやったほうが楽しい」 (4ページ目)

  • 門脇 正法●取材・文 text by Kadowaki Masanori
  • 田中 亘●撮影 photo by Tanaka Wataru

【受験生へ「勉強は裏切らない!」】

ーー昨年、司法試験に合格し、この先は司法修習生として勉強が続いていくと思います。将来はどんな仕事をしていきたいですか?

 もともと弁護士になりたいというのが自分のなかで今のところの気持ちとしてあるんですが、司法修習の過程で、初めて裁判官や検察官の仕事を間近で見られます。将来のことなのでどうなっているかわからない部分もありますね。

ーー弁護士の道で進んでいくとしたらどんな弁護士になりたい?

 今のところは企業法務の弁護士をイメージしています。M&A(合併・買収)やジェネラル・コーポレートと言われる分野をやっていきたいです。スポーツ企業の買収や契約などの業務にも携われたら、自分がやってきたスポーツとの関わりも見えてくるかもしれません。

ーーさて、野球、勉強についていろいろと伺ってきました。辻居さんなりの文武両道の極意とは?

 勉強でもスポーツでもなんでもいいから、本気でやったほうが絶対に楽しいと思っています。自分にとっては野球でしたが、学問でもバイトでも趣味でも極めようとするのがいいと思うんです。自分が好きなこと、自分が本気になれることを探して、本気でぶつかっていくと見えてくる世界があると思っています。

ーー最後に、入試本番を控えている受験生にアドバイスをお願いします!

 アドバイスなんてできるような立場にはいないんですが、「勉強は裏切らない!」ってことは言えるかなと。これは間違いありません。勉強は単純に時間が必要になってくるので、ゴールが見えなかったり、つらい時もあったりすると思うんですが、続ければちゃんと跳ね返ってくるので、その先に明るい未来が絶対待っていると思いながら、今この瞬間を頑張っていただきたいですね。

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前編<東大野球部主将→司法試験合格の辻居新平 弁護士、東大...超優秀4兄弟の教育方針は「両親が勉強に関与してこなかった」>を読む

【プロフィール】
辻居 新平 つじい・しんぺい 
1997年、神奈川県生まれ。栄光学園中・高から東京大学文科一類へ進学。東大野球部時代は主将を務め、自身外野手として2017年と2018年の東京六大学秋季リーグで打率3割超えの成績を収める。その後、東京大法科大学院へ進学し、2023年の司法試験に合格。

プロフィール

  • 門脇正法

    門脇正法 (かどわき・まさのり)

    マンガ原作者、スポーツライター。1967年、埼玉県生まれ。日本女子体育大学大学院スポーツ科学研究科修士課程修了。アニメ『ドラゴンボールZ』の脚本家である小山高生氏からシナリオを学び、マンガ原作者デビュー。特にスポーツアスリートの実録マンガを得意としており、『世界再戦ー松坂大輔物語ー』(集英社/少年ジャンプ)、『好敵手ー室伏広治物語ー』(同)、『闘球「元」日本代表ー福岡堅樹物語ー』(集英社/ヤングジャンプ)の原作を担当。現在はマンガの原作だけでなく、「少年ジャンプ」のスポーツ記事特集『ジャンスタ』を中心に、『webスポルティーバ』の「文武両道の裏側」など、スポーツライターとしても活躍中。著書に『バクマン。勝利学』『少年ジャンプ勝利学』(ともに集英社インターナショナル)などがある。

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