甲子園のスター・吉永健太朗が投げない野球「ベースボール5」で目指す日本一&日本代表 (2ページ目)

  • 内田勝治●文 text by Uchida Katsuharu

ベースボール5にどっぷりハマったと語る吉永健太朗さん photo by Uchida Katsuharuベースボール5にどっぷりハマったと語る吉永健太朗さん photo by Uchida Katsuharuこの記事に関連する写真を見る「すごく面白いなと思って、そこから始めたのがきっかけです。守備も塁間が短いので、スナップスローで全然届くし、打つ方も打点が下なので、肩も痛くならず、全力で振ることができます」

 吉永さんはJR東日本時代の2017年に右肩を手術。2019年に現役を引退するまで鎮痛剤を飲みながら登板していた。しかし、ベースボール5は投手というポジションがないので、全力で投げる機会はごく稀。右肩の痛みを気にすることなく、思いきりプレーできる喜びを久しぶりに味わった。

【5戦全勝で全国大会出場】

 そこからすぐに行動を起こした。「5STARs」からも入部を誘われたが、拠点が埼玉・上尾市内にあり、都内の自宅から遠かったため断念。「せっかくだから、自分でチームをつくろう」と思い立ち、昨年9月、ベースボール5のチーム「Hi5Tokyo(ハイ・ファイブ・トウキョウ)」を設立した。

 昨年末には白とピンクを基調としたユニホームも完成。全国大会出場、そして日本一を目標に掲げ、「第1回Baseball5日本選手権オープンの部・東日本ブロック予選」(1月21日、東京・駒沢大学野球部室内練習場)出場に備えた。

「チームとしては月に2回の活動で、紅白戦をやったり、対外試合は2度やりました。自分の練習のほうがメインで、朝や夜にダッシュやバッティング練習、ちょっと懸垂したりしていました」

 そして迎えた試合当日。6チームの総当たりで1日5試合をこなすというハードスケジュールのなか、Hi5Tokyoは1試合目を18−1(3回コールド)、2試合目を11−0と快勝。ただ、主将として活躍した吉永さんは2試合目の途中で左足がつった影響で3試合目は欠場した。それでもベンチから戦況を見守った3試合目も13−0(4回コールド)と順調に白星を重ねた。

 各チームとも連戦にならないように試合が組まれているため、合間のコンディションづくりに細心の注意を払わなければ、思わぬケガにつながりかねない。試合では走者のスライディングは禁止されているので、ベースカバーに入った選手とぶつかり合うといったコンタクトプレーが繰り広げられる。想像以上に激しいスポーツだ。

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