就任わずか2カ月で創価高を都大会準優勝へと導いた堀内尊法監督 「今の高校生は1週間でものすごく成長する」 (3ページ目)

  • 元永知宏●文 text by Motonaga Tomohiro

【当たり前のことを当たり前にやる】

 初めて高校生を指導してみて、その吸収力に驚かされると堀内は言う。

「どんどん新しいことを覚えるし、言われたことを習慣にできる。1週間でものすごく成長します。サインについては、選手たちがやってきたことを僕が覚えて、少しずつ新しいことを加えていきました。こっちが覚えることが多くて大変でしたが、そこは選手ファーストで、彼らの力を引き出すことを最優先しました」

 東京都大会の決勝で敗れたものの、堀内はたしかな手応えを得た。

「神宮球場で2試合できたことが財産になっています。2カ月間一緒に戦って、堀内がどういう野球をするのかをわかってくれたと思います」

 簡単なように見えて難しいことを地道に行なったことが、今回の快進撃につながったと堀内監督は見る。

「僕は松山商で掃除・あいさつ・礼儀を徹底的に教え込まれました。勝つための緻密な野球を覚えたのも高校時代でした。その後、創価大学野球部の岸雅司監督のもとで4年間選手をし、卒業後は長くコーチをやらせていただきました。そういう経験を生かしながら、『野球を通じた人間教育を』といつも考えてきました。秋季大会で決勝まで勝ち上がったのは24年ぶりのこと。当たり前のことを当たり前のやることの大切さをあらためて痛感しました。チーム力を上げるのはこれから、冬の間にしっかり鍛えます」

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