佐々木麟太郎のアメリカ留学はMLBを目指す上でプラス要素 バスケットボールに続きトップ選手の選択肢になるか (2ページ目)

  • 取材・文 text by Mio Kiyoshi

 アマチュア選手の評価に関して球界関係者からも高い信頼を得ている『ベースボール・アメリカ』も、佐々木のパワーには70評価を与えている。「パワー一辺倒のスラッガーではなく、安定してバレルゾーン(長打が出やすいとされる打球角度と打球速度の範囲)の打球を打てる打者で、打撃に関して天性の才能に恵まれている。バットスピードも速く、鋭い打球を放つ」と打撃全般に対しての評価が高い。

 今夏のマイナーリーグで最高のパワーの持ち主に選ばれたオーウェン・ケイシー(シカゴ・カブス傘下)のMLB公式サイトからの評価が65なので、佐々木はマイナー最高のパワー打者をも上回る高評価を得ていることになる。

【米大学からメジャーを目指す上での金銭的メリット】

 日本の高校を卒業後、アメリカの大学に進学して、メジャーリーグのドラフトで指名された日本人選手は過去にもいる。今年7月のドラフトでは、オレゴン大学の西田陸浮がシカゴ・ホワイトソックスから11巡目で指名され入団している。

 名門、東北高校で1年生からレギュラーに抜擢された西田だが、甲子園出場はなし。高校卒業後に渡米して、最初は2年制の短期大学に進学。短大で英語力とアメリカ野球への対応力を磨き、ナイキのお膝元でもあるオレゴン大学に転校して、活躍した。

 佐々木の進学先はまだ明かされていないが、始めから4年制の強豪大学へ進学する可能性が高い。

 4年制大学でプレーできれば、最速で大学3年生になる2026年夏にはドラフト対象選手になれる。アメリカの大学でプレーすることで、メジャーに挑戦する時に、大谷翔平のような「インターナショナル・ボーナスプール(国外の若手選手と契約する際に設けられている契約金額の上限)」の対象選手ではなく、ドラフト対象選手になれるので、より多くの契約金を手にできるチャンスが生まれる。

 25歳未満の外国人選手がメジャーに移籍する際には、インターナショナル・ボーナスプール対象となり、2017年12月に大谷がロサンゼルス・エンゼルスに移籍した際の契約金は約230万ドル(約3億4000万円)でしかなかった。

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