ドラフト候補や侍ジャパン大学代表がずらり 全日本大学野球で活躍が目立った野手6人 (2ページ目)

  • 白鳥純一●取材・文 text by Shiratori Junichi
  • 大友良行●撮影 photo by Ohtomo Yoshiyuki

明治大の主砲、上田希由翔明治大の主砲、上田希由翔この記事に関連する写真を見る■上田希由翔(明治大4年/183センチ・93キロ/右投左打/愛知大三河高)内野手

 準優勝に終わり、「決勝で勝たなければ一緒。なんとかして勝ちたかったですけど悔しい結果になった」と、悔しさを噛み締めた明治大の主将・上田希由翔(きゅうと)。全国制覇を目指すチームの中心選手として今大会も躍動した。

 明治大にとっての大会初戦となった6月7日の日本体育大学戦は、4-0で迎えた2回に「いい形で真っ直ぐを捕まえられた」という3ランを放つと、続く仙台大学戦でも2打点の活躍。準決勝の白鴎大学戦でも犠牲飛で打点を記録するなど、王座奪還を目指すチームを牽引した。

「上位打線がしっかりしていて、信頼が厚い。どこからでも点が取れるのは強い自信になっている」と、高い得点力の理由を語る上田。しかし一方で、「明治伝統の守り勝つ野球をしたい」と、準決勝まで無失点だった守備力にも自信を覗かせた。

 上田は決勝前、「ここまで試合を通じてチームは成長してきた。色々な人に応援してもらっているので、決勝では100%のパフォーマンスを出したい」と意気込んだが、ドラフト上位指名が有力視される青山学院のエース、常広羽也斗の前に打線は沈黙し、7安打完封勝利を許した。

「なかなかチャンスで回ってくる機会もなかった。先頭打者として打席に立つことが多かったので、何とかチャンスを作れたらよかったと思う。(常広投手は)ストレートは強さもありましたし、カウントを取りにくるツーシームを自分たちは打たされてしまった」

 そう試合を振り返った上田は、「まずは秋の東京六大学で勝って、神宮大会に出場できるようにしたい。今は自分も悔しい気持ちでいっぱいだが、気持ちを切り替えていきたい」と雪辱を誓った。

守備の評価も高い明治大の宗山塁守備の評価も高い明治大の宗山塁この記事に関連する写真を見る■宗山塁(明治大3年/175センチ・79キロ/右投左打/広陵高校)内野手

 4番を打つ上田とともに明治大の強力打線を支えたのが、遊撃を守る3年生の宗山塁だ。侍ジャパン大学代表にも選出され、2024年ドラフトの上位指名候補と言われている。

 初戦の日体大戦では、2回にタイムリーを放ってチームの勝利に貢献。「短期決戦なので、チャンスの場面で集中力が大切。どうにかして1点を取ろうと思った」という言葉通り、(準決勝までの)全試合で打点を上げる活躍を見せた。

 今大会、準々決勝で敗れた大阪商業大の4番・渡部聖弥は、広陵高時代のチームメイトで、2年間に渡って合宿所の同じ部屋で過ごしたという間柄。宗山にとっては「一番関わりの深い選手」だという。

「お互いにタイプの違う打者ですが、比べられることも増えてくると思う。高校時代も(渡部は)すごかったですが、日々レベルアップしていることを感じるので、負けたくないという意識を持ってやっていきたい」

 残念ながら今大会での顔合わせは実現しなかったが、日本球界を背負っていくだろう2人の今後に注目したい。

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