明治大が六大学野球で圧倒的な強さ ドラフト候補の主将と「伏兵」の活躍、指揮官の選手起用で「完全優勝での3連覇」 (3ページ目)

  • 白鳥純一●撮影・文 text & photo by Shiratori Junichi

【早稲田大との一戦で、田中監督の起用が的中】

 そして2連勝で3季連続のリーグ優勝が決まる早稲田戦(5月13日〜14日)でも、日替わりのヒーローがチームの勝利を手繰り寄せた。

「打倒明治!」に燃える早稲田大は1回戦(5月13日)で、昨秋に最優秀防御率のタイトルを手にしたエース右腕の加藤孝太郎 (4年)を中3日で先発のマウンドに送る。対する田中監督は、「ずっと状態がよかったので、いつか使いたいと思っていた」という左打者の今井英寿(2年)を初のスタメンに抜擢した。「いつ(試合出場を)言われてもいいように準備をしてきた。やってやるぞという気持ちだった」という今井は、1本塁打を含む4安打4打点で監督の起用に応えた。

 投げては、先発したエースの村田が6回2失点(自責1)の好投。試合後に村田は「調子はあまりよくなかったが、自分のピッチングができたことはよかった。(早稲田の選手は)ボールが高めに浮くと捉えられる印象だったので、浮かせないように心がけた」とコメント。15得点の大量援護にも助けられて安定した投球を披露し、今季2勝目をマークした。

「優勝を意識するというよりは、全員が勝ち点をとるために戦っていた」(上田)という2回戦も、初回に上田と杉崎成(3年)のタイムリーで先制。久々の先発起用に応えた杉崎が3安打3打点の活躍を見せるなど、田中監督の采配も光った。

 試合は今季から先発を任され「心身ともに成長し、球質も良くなった」という石原勇輝(4年)、久野悠斗(2年)、ドラフト候補の蒔田稔(4年)のリレーで早稲田大の反撃を振り切り、6対3で勝利。1カードを残し、3季連続の栄冠を手にした。

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