センバツのベストナインを記者3人が選出 マダックス達成の公立校の絶対エース、マスコミを利用した策士、軟投派の星...

  • photo by Ohtomo Yoshiyuki

 山梨学院の初優勝で幕を閉じた第95回選抜高校野球大会(センバツ)。「ドラフト1位確実」といった超大物こそいなかったが、未来の野球界を担う逸材や記憶に残るプレーを披露した選手など、多くのプレーヤーが爪痕を残した。そこでセンバツを取材した3人の記者に「ベストナイン」を選出してもらった。

光高校の本格派右腕・升田早人光高校の本格派右腕・升田早人この記事に関連する写真を見る

戸田道男(編集者兼ライター)

投手/升田早人(光)
捕手/堀柊那(報徳学園)
一塁手/真鍋慧(広陵)
二塁手/大森燦(山梨学院)
三塁手/西村大和(報徳学園)
遊撃手/進藤天(山梨学院)
外野手/石野蓮授(報徳学園)
外野手/岡本昇磨(東邦)
外野手/百々愛輝(英明)

 球数制限の導入で複数投手の起用を考えなければ大会を戦えない時代。とはいえ、6試合をほとんどひとりで投げて優勝した山梨学院・林謙吾投手の例もある。ベストナインというからにはそういう絶対的エースを推したい。

 もちろん今大会の実績で林を上回る人はいないが、残した印象の強さで光の升田が捨てがたい。181センチ、76キロのすらりとした体形。公立校のマウンドをひとりで守る姿は、昭和の高校野球の郷愁を誘うものがあった。初戦で99球無四球完封の「マダックス」。2試合目で山梨学院に屈したが、もっと見たい投手だった。

 捕手はドラフト候補の評判どおりの活躍を見せた報徳学園・堀。とくに強肩は特筆もの。準決勝・大阪桐蔭戦8回に盗塁を刺した二塁送球は、地面と平行の弾道でズドンと野手のグラブに到達した。

 一塁手はバッティングで活躍する選手が多かった。そのなかでも広陵・真鍋は繰り出す打球の速さで群を抜く。守備面、走塁面の難を指摘する声も聞かれるが、あっという間にフェンス直撃のあの打球を上のレベルでも見せてほしい。

 二塁手は優勝した山梨学院のレギュラーで唯一地元出身という大森。三塁手は延長タイブレークの東邦戦でサヨナラ安打を放った報徳学園・西村。遊撃手は山梨学院のキャプテン・進藤を選出。地味ながら大会通じて攻守に活躍した。

 外野手は報徳学園の右翼手・石野。初戦の健大高崎戦で本塁打、準決勝では大阪桐蔭・前田を打ち崩す決勝のタイムリー二塁打。東邦・岡本、英明・百々はチームの中軸を打ち本塁打を記録、さらに救援投手としてマウンドに立つ「二刀流」の活躍が印象的だった。

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