甲子園でうまくなる明豊の2年生スラッガーに、ソフバン柳田も熱視線

  • 加来慶祐●文 text by Kaku Keisuke
  • 大友良行●写真 photo by Ohtomo Yoshiyuki

 連日、熱戦が続いている甲子園で、来年の第100回大会の主役候補となりうる2年生の活躍が目を引く。そのなかでも一躍注目の存在として台頭してきたのが、明豊(大分)の背番号17・浜田太貴だ。

 今大会は「3番・レフト」で出場し、2試合を終え10打数6安打。2試合連続本塁打を放ち、打点はチームトップの8を記録している右のスラッガーだ。大分大会でも3本塁打を放つなど、大舞台で無類の勝負強さを発揮している。

2試合連続本塁打を放った明豊の浜田太貴2試合連続本塁打を放った明豊の浜田太貴 その豪快なバッティングは、同校OBの今宮健太(ソフトバンク)も絶賛。「僕とギータ(柳田悠岐)のリスペクト選手」とまで言わせたほどだ。高校時代に通算62本塁打を放った今宮のみならず、日本を代表するスラッガーの柳田さえも虜(とりこ)にしてしまった。

 その浜田だが、初戦のあと試合後のお立ち台で「3年生は最後の夏に力んで打てないかもしれないので、自分が打ってやろうと思った」とコメント。それが「3年生が打たないので自分が打った」と誤って伝わってしまった。そのため、ふてぶてしい印象があるが、実際は違う。川崎絢平監督は浜田についてこう語る。

「素直な子ですよ。一見やんちゃそうに見えるんですけど、決してそんなことはない。むしろ、考えながら野球をしている選手です」

 赤峰淳部長も続ける。

「6月ぐらいから配球の関するメモをベンチで取るようになりました。チームではアイツだけです。何を書いているのかなと思ったら、『1球目はどこにどういう球種がきた』と。それを確認して、次の打席に入っている。しかも、誰にも気づかれないようにコソコソやっています。最近は配球についても考えるようになったから、低めの変化球を振らなくなってきました」

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