「九州の快腕」「宮城のドクター0」...地方大会で消えた凄い投手たち (4ページ目)
ずっと見たいと思っていながら、最後まで見られなかったのが仙台高(宮城)の左腕・佐藤隼輔(さとう・しゅんすけ)だ。
宮城大会の準々決勝で敗れたが、全5試合に先発して41イニングで58の三振を奪った。奪三振の多さも見事だが、佐藤は初戦から3試合連続完封(1試合は7回コールド)を飾り、「宮城のドクター0」の異名を取るなど、投手としての完成度の高さを示した。
あるプロのスカウトは、「球も速いが、それ以上に点を取られないクレバーさが光る」と絶賛し、「今年の高校生左腕ではナンバーワン」というスカウトまでいる。聞けば聞くほど、見逃したことを"後悔"しているが、幸い、彼のピッチングを見るチャンスはこの先も十分にある。そのときまで楽しみにしておこう。
このほかにも、星槎国際湘南(神奈川)の本田拓海、青藍泰斗(栃木)の石川翔、東海大望洋(千葉)の金久保優斗といった好投手が、甲子園に出ることなく地方大会で涙を呑んだ。
昨年の作新学院・今井達也(現・西武)のように、高校生は甲子園で変わる。ここに挙げた逸材たちの変身ぶりを甲子園のマウンドで見たかったが、その思いは叶わなかった。そんな無念を忘れさせてくれる投手が、新たに甲子園のマウンドに現れることにも期待したい。
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