初出場「きらやか銀行」が都市対抗で起こした創部65年目の奇跡 (5ページ目)

  • 菊地高弘●文 text by Kikuchi Takahiro
  • photo by Kikuchi Takahiro

「東北2次予選でも試合に出ていませんでしたし、久しぶりの公式戦のグラウンドでドキドキしました。センターからスタンドを見ると、思った以上に多 くの応援団が駆けつけてくれていて、『ここまで来たんだな......』と感慨深かったです。もちろん、ここで終わっちゃいけない、試合に勝たないといけないとも 思っていましたけど」

 タイブレークに突入した延長12回にお互い1点を奪い合うと、13回表にきらやか銀行は主将・長谷川徹の犠牲フライで勝ち越し。その裏の守備をJR東日本東北から補強された左腕・西村祐太がダブルプレーで締めた。

 試合後、梅津は「これから(2回戦の相手の)西濃運輸(大垣市)のデータを整理します」と、疲れを感じさせない充実した表情で語った。

 大金星から3日後。2014年の都市対抗チャンピオンである西濃運輸を相手に、きらやか銀行はまたも大善戦を見せた。

 先発した西村は素晴らしい制球力で相手打線を抑え込み、スコアボードに次々と「0」を刻んでいった。だが、打線は1回表に無死満塁のチャンスを潰すなど、あと一本が出ない。1回戦と同じように同点のまま延長戦に入り、12回からは2試合連続のタイブレークに突入した。

  きらやか銀行は12回表に併殺崩れの間に1点を挙げたものの、その裏に西濃運輸の3番・井貝星良(いかい・せいら/東海理化からの補強選手)に右中間を破 られる逆転サヨナラ打を浴びた。2試合連続の番狂わせとはならなかったが、それでも「きらやか旋風」と言っていい、大健闘だった。

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