MGC直前!上村アナ注目の「アジア王者」井上大仁のストロングポイント (2ページ目)

  • photo by Yamamoto Raita

 ナイキ・オレゴンプロジェクトに所属し、拠点であるアメリカで海外のトップ選手たちと切磋琢磨している大迫選手と設楽選手は同級生で、マラソン初対決。設楽選手は、一緒にMGCにむけての合宿も付き合ってくれた双子の兄啓太さんへの熱い思いも胸にあるはずです。

 そして「ビッグ4」のなかでは唯一大学生のころから東京五輪を目指しマラソン練習をしてきた服部選手。最強のランナーといえる「ビッグ4」のメンバーですが、そのなかで私が最も注目しているのが井上選手です。持ちタイムはMGC出場者のなかでは大迫選手、設楽選手に続く2時間6分54秒ですが、私も現地で見た昨年のアジア大会、30度というあの暑いジャカルタでバーレーンのエラバッシ選手に最後の競り合いで勝ち切った勝負強さが、MGCでも発揮されるのではないかと思っています。

上村アナの注目選手のひとりは井上大仁選手上村アナの注目選手のひとりは井上大仁選手 ニューイヤー駅伝や世界陸上ロンドンでも井上選手の走りを現地取材しましたが、飄々と涼しい顔で走っている選手のイメージでした。ですがアジア大会のラストは、接触があっても当たり負けせず、ゴールする瞬間に両手を広げて叫びながらゴール。あんなに感情を爆発させている井上選手は初めて見ました。あのアジア大会での熱い走りを、MGCでも期待してしまいます。高橋尚子さんは、井上選手の走りを見て、「勝ち切る強さ、日の丸を背負うプレッシャー、そして暑さ、この(アジア大会の)マラソンで2つも3つも財産を得たと思う」と高く評価していました。

 東京オリンピックを視野に入れて、「金メダルを取りに行きます」と自分にプレッシャーをかけてアジア大会に臨んでいた井上選手は、見事に有言実行。今回のMGCでも優勝を目指すと力強く宣言し、自分が他の選手より強いと思っている部分について聞かれると「暑さのなかでのレースを何回もこなしたというところ、勝負になったら後半粘り勝ちできるというところ」と自信を見せています。

 先日、川内優輝選手にMGCのレース展開についてお話をお聞きしたのですが、川内選手は悩んだ末に、井上選手が来ると予想されていました。「(世界陸上)ロンドンで井上選手と一緒に走った翌朝、自分の走りができなかった井上選手の目が真っ赤だったことをよく覚えています。寝られないぐらい悔しかったのかなって。人一倍負けず嫌いだと思います。他の実業団の選手と話しても、井上選手の練習量がヤバい、とみんな言っています。相当練習している」。

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