4度目の世界王者ハミルトンが心技体を極めた「ヴィーガン生活」とは (2ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

 今日のターン3でアクシデントが起きたときも、あのときとものすごく似ていたんだ。パンクを負い、簡単にあそこであきらめてしまったり、焦ってミスを犯したりしてしまいそうだった。でも、僕はあのときのことを思い出して、『絶対にあきらめないんだ』という強い気持ちを持つことができた。そしてプッシュし続け、全力を尽くして走ったんだ」

 今シーズンのハミルトンは、圧倒的にミスが少ない。18戦で9勝を挙げ、表彰台は12回。リタイアはない。

 かつてはメンタルの弱さを指摘されることもあったハミルトンだが、今の彼は違う。どんな状況でも大崩れすることがない。今季はメルセデスAMGが最速とは言えないレースが何度もあったが、それでも"取りこぼし"を最小限に抑えてきたことが4度目の戴冠につながった。

「フィジカル的にもメンタル的にも、僕は自分が今まででベストの状態にあると感じている。シーズンを通してミスを犯さず戦ってきたことからも、メンタルの成長は明らかだと思う」

 心技体の「技」は、言うまでもない。

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