チャンス生かせず。本田圭佑がミランサポーターから叩かれる本当の理由 (2ページ目)

  • ステーファノ・メレガリ(『Forza Milan!』編集長)●文 text by Stefano Melegari  利根川 晶子●翻訳 translation by Tonegawa Akiko

 試合中の平均走行時速も7kmというデータがあがってきている(平均は9~14kmといわれている)。これは今までの彼のパフォーマンスと比べても下回るもので、モンテッラに自分を認めさせる千載一遇のチャンスで、天は本田に味方しなかったようだ。

 本田のプレーに与えたれた評価も厳しく、ほとんどの新聞やメディアが彼に落第点をつけた。この試合では本田だけが悪かったわけではなく、チーム全体の出来も決してよくはなかったが、やはりどうしても右サイドの連携の悪さが目立った。しかしそれも仕方ない。この日右サイドバックを務めたアンドレア・ポーリは本来、中盤の選手だし、本田はこれまでにたった19分しかプレーしていないのだ。

 ジェノア戦の本田の出来と敗戦は、彼とサポーターの関係の改善には役立たなかった。SNSでは相変わらず一部のサポーターが本田を強いトーンで攻撃しているし、またスタジアムでは最も過激なサポーターが本田にブーイングを浴びせている。

 しかしこれらのアンチ本田の声はなにも彼のプレーにだけ向けられているのではない。ミランのウルトラスの目的は一部のチーム幹部の采配に抗議することにある。はっきり言ってしまうと、彼らの狙いはCEOのアドリアーノ・ガッリアーニだ。

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