屈辱のJ3転落で「芯」が通った
大分トリニータ。超速J1昇格なるか

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • photo by Masashi Hara - JL/Getty Images for DAZN

 芯が1本しっかりと通っているチームは、戦い方にブレがないから、シーズン終盤になっても強い。というより、なってこそ強い。そんなことを感じさせる試合だった。

 J2第38節、大分トリニータは敵地で松本山雅FCを2-0で下した。この勝利で勝ち点を60に伸ばした大分は、順位でも9位から8位に上昇。J1昇格プレーオフ進出圏内となる6位との勝ち点差をわずか1に縮めている。

プレーオフ進出が見えてきた大分トリニータプレーオフ進出が見えてきた大分トリニータ 大分に見る"芯"とは、ボールポゼッションを主体としたサッカーである。この試合でも、川西翔太、鈴木惇のダブルボランチを中心にピッチを広く使ったパスワークで主導権を握っていた。

 前半20~30分あたりまで、松本が引いて構えるような消極的な戦い方に(意図的かどうかはともかく)出たこともあり、大分は立ち上がりからテンポよくボールを動かすことができた。必ずしも決定機を作れていたわけではなかったが、大分がこの時間帯で試合の流れを大きく引き寄せたことは間違いない。

 38分の先制点にしても、セットプレーからのゴール(鈴木惇のCKを相手GKがパンチングしたボールを、MF岸田翔平が拾ってミドルシュートを決めた)ではあったが、大分ペースの流れに沿って生まれたものだ。

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