巨人の55番を背負う秋広優人が語る今季。中田翔に「ライバルと思ってもらえるように食らいつきたい」

  • 長谷川晶一●取材・文 text by Hasegawa Shoichi
  • photo by Kyodo News

プロ野球2022開幕特集
巨人・秋広優人インタビュー

 昨季、身長2mの野手として大きな注目を集めた秋広優人。春季キャンプでアピールし、ファームの試合では4番も務めたが、一軍での出場は1打席のみだった。

 同オフには、背番号を松井秀喜が着けていた55に変更されることが発表された。球団の期待に応えて一軍定着を狙う秋広に、志願して自主トレをともにした中田翔のことや、昨季からの進化を感じる点などを聞いた。

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直訴して実現した中田翔との合同自主トレ

――プロ2年目を迎える今シーズンは、チームメイトの中田翔選手との自主トレが話題となりました。これは秋広選手からの直訴で実現したものだそうですね。

秋広 中田さんがジャイアンツに移籍される前から、「プロ野球界で一番のファーストは中田さんだ」と思っていました。ファースト同士ということもあって「ぜひ勉強させていただきたいな」という思いで、昨シーズン終了後にお電話させてもらい、「一緒にお願いします」と伝えました。

――同じポジションを守る大先輩への電話は緊張しませんでしたか? そして、中田選手の反応はいかがでしたか?

秋広 「一緒に練習したい」という思いが強かったので、電話をすることに緊張はありませんでした。最初は「何で、オレなん?」みたいに言われましたけど、「中田さんしか考えていませんでした。ずっと決めていました」と伝えたら、「キツい練習だけど、一緒に頑張ろうな」と言ってもらえたので、すごくうれしかったし、素直に「頑張ろう」と思いました。

――自主トレ期間中はホテル暮らしではなく、四六時中一緒の共同生活だったそうですね。

秋広 野球はもちろんですけど、食事のマナーだったり、コンディショニングだったり、野球も含めたいろいろな面で勉強になったので、すごく感謝しています。

――中田選手との自主トレでは、両者がロングティーで競っている場面を見ました。

秋広 去年の自分は、ただ力任せというのか、フルスイングして遠くに飛ばしていたんですけど、中田さんからは「力じゃなくて、打球の質を意識しろ」と言われました。しっかりとボールの下にバットを入れて、スピンをかけて飛ばすこと。今まで意識していなかったことなので、すごく勉強になりました。

――実際に飛距離や感触など、「打球の質」は変化しましたか?

秋広 はい。スピンがかかっている分、飛距離は伸びたと思います。ただ、中田さんの場合は百発百中で確実に仕留めていたけど、自分の場合はミスショットが多かったです。中田さんからは、「ロングティーでそんなにミスしているようじゃ、試合では打てない」と注意されたので、その点はすごく意識するようになりました。

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