鉛のベストで猛練習。ヤクルト秋季キャンプはリアル「スポ根漫画」だ

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya
  • photo by HISATO

ヤクルト怒涛の松山キャンプ(前編)

 ヤクルトの秋季キャンプ(愛媛県松山市)を最終クールから4日間、野手陣を中心に取材した。小川淳司新監督のもと、宮本慎也ヘッドコーチ、石井琢朗打撃コーチ、河田雄祐外野守備走塁コーチ、土橋勝征内野守備走塁コーチ、野口寿浩バッテリーコーチ、田畑一也投手コーチを迎え入れ、新たなスタートを切った。

「これでもか」というほどバットを振り続け、練習後はなかなか起き上がれない選手がいるほどハードな内容だった。この松山キャンプには山田哲人も参加。日々の練習に明け暮れた。

山田哲人も今までで一番の練習量だったと充実した表情で語っていた山田哲人も今までで一番の練習量だったと充実した表情で語っていた「過去、一番の練習量だったと思います。たくさんバットを振ることで、今までに感じたことのない発見がありましたし、下半身がいかに大事かということを再認識しました。『あっ、昔はこう思っていたな』とか、忘れかけていたことを思い出したり、初心に戻れた気がしました。初日はめちゃくちゃ疲れましたけど、バットを振ることによって体も慣れてきて、今は力強いスイングができるし、振る力もついてきたなと。本当にいい練習ができたと思います」

 宮本コーチとの"特守"では、40分近くノックを受け続けた。フラフラになりながらボールに食らいつく姿に、「いい足してるな~、(ノックを)終わるのをやめたくなってきたよ(笑)」と、宮本コーチは満足げな表情を浮かべていた。

 全体練習は午前9時に始まり、球場に照明が灯る午後5時過ぎまで。その後、ウエイトや素振りなど、個人練習が行なわれていた。なかでも最も引き込まれたのがバッティング練習で、それは"過酷"のひと言に尽きた。

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