西武・高橋光成「岸孝之さんのボールを見てプロの凄さを知った」

  • 菊地高弘●文 text by Kikuchi Takahiro
  • photo by Kyodo News

 誰がここまでの高橋光成(西武)の活躍を予想できただろうか。高卒1年目にして8月に一軍昇格すると、9月上旬にかけて5連勝。1999年の西武・松坂大輔(現・ソフトバンク)の記録を塗り替える、史上最年少での月間MVPも獲得した。春先には最速154キロをマークするなど、着実に本格派右腕へと成長を遂げている。

 だが、全国制覇を成し遂げた前橋育英高2年時はストレートがシュート回転する悪癖があり、むしろ変化球で器用に抑えるタイプの投手だった。かねてより高橋の急激な成長ぶりについてレポートしてきたが、一軍で結果を残した今、あらためて本人を直撃した。

8月9日のオリックス戦でプロ初勝利を挙げた高橋光成(写真左)。右は田辺徳雄監督8月9日のオリックス戦でプロ初勝利を挙げた高橋光成(写真左)。右は田辺徳雄監督

高橋光成"マイペースで語る"インタビュー(前編)

―― 最初に1年前のドラフト会議当時の話をお聞きします。会議8日前に西武球団が「ドラフト1位でいく」と異例の公言をしましたが、その時はどんな心境でしたか?

高橋 どこへ行くかもわからなくてドキドキしていましたし、そういうなかで公表していただいて。「本当なのかな?」という気持ちも心のどこかにあったんですけど。でも、まだ正式に決まっていないとはいえ、「よっしゃ」という、嬉しい気持ちもありました。

―― その時は、自分自身の才能や将来性に自信を持っていたのでしょうか。

高橋 正直......なかったです。高校2年生の時に全国優勝はできたんですけど、大会後に日本代表に行って、すごい選手を見て、そこで自信をなくして......。自信はやっぱり、そんなにないです。

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