楽天・立花球団社長が語る「大物メジャーリーガーを獲れる理由」 (4ページ目)

  • 中島大輔●構成 text by Nakajima Daisuke
  • 小内慎司●写真 photo by Kouchi Shinji

―― 過去に来日した大物外国人選手の中には途中で帰国する人もいましたが、ジョーンズ選手は違いましたね。

「春のキャンプでは守備練習で『肩が痛い』と言って、下から投げたり、20メートルくらいしか投げないんですよ。『お前、守りたいって言ってたじゃん』って話しました。そこからのスタートだったので、1年間を振り返ると涙が出るくらいです。ホントにいい1年というか、いろいろありました」

―― ユーキリス選手も加入しましたし、2014年も楽しみですね。

「僕らの計算でいくと、AJは来日2年目の方が慣れて、数字的に上振れすると考えています。ユーキリスの対応力を持ってすれば、マギーよりも数字を残すでしょう(※)。その仮説に立つと、去年よりチームの得点力がアップする。それプラス、うちのチームは若いです。銀次、枡田慎太郎、岡島(豪郎)、島内(宏明)は、みんな20代前半から中盤。嶋(基宏)も29歳。その中に経験を持ったふたりが入り、チームの中心になってくれる。チームとして、まだ伸びる要素はあると思います」

※昨季のマギーは144試合に出場、打率.292、28本塁打、93打点

―― ネット上で「ユーキリスのあの構えを見られるだけで、球場に行きたい」という書き込みを見ました。

「社内でも言っているんですが、まずは僕らがワクワクしないといけないんです。『僕らがワクワクしない選手を獲って、球場にお客さんが来るか?』っていう議論をよくしています。シンプルに、そういうことだと思うんですよ。僕らはプロスポーツなので、勝たなきゃいけないし、面白くなきゃいけない。常にワクワクすることが起こっている球団じゃないと、お客様に飽きられる。特に外国人はワクワクする選手じゃないとダメだと思いますね」

―― 例えば予算枠が1億円だとして、基本的には2500万円×4人を獲るのではなく、力のある1億円の選手をひとり獲ってきたほうが、組織にはプラスになるという考え方ですか?

「そこは正直、4人のクオリティだと思います。どっちがいいかはないですね。AJやユークは、本当にワクワクする選手。同じコストがかかっても、誰だかよくわからない選手もいるじゃないですか。うちはファルケンボーグ(昨季までソフトバンクに在籍した)を獲りましたが、日本球界でプレイしていた選手を取るのは、基本的には嫌なんです。ワクワクしないですから」

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