WBCの隠れた功績。
センバツ球児たちが
侍ジャパンから学んだこと

  • 菊地高弘●文 text by Kikuchi Takahiro
  • 大友良行●写真 photo by Ohtomo Yoshiyuki

 強打者タイプの選手に聞くと、やはり侍ジャパンの中軸を担った筒香嘉智(DeNA)、中田翔(日本ハム)への憧れを口にする選手が多かった。

「筒香選手の勝負強さはすごいなと。大きいのも打てるし、一本ほしい場面でキチッと打てる。時にはしぶとく食らいついていくところもいいですよね。オーストラリア戦でライトポール際に打ったホームランは、普通なら切れてファウルになると思うんですけど、脇を開かずにヒジを抜いてスイングしているから切れないんでしょうね」(高田商・高鉾颯馬)

「中田選手の3試合連続ホームランと勝負強さに憧れました。練習で自信をつけているからこそ、試合でも迷いなく豪快に振り切れるのかなと思います」(帝京五・今田一希)

 そして最後に、具体的な選手名ではなく、WBCの印象的なシーンを語ってくれた選手のコメントを紹介したい。

「準決勝のアメリカ戦では、ミスが出た後に流れを持っていかれたように見えました。自分たちも甲子園では必ずミスが出ると思うので、ミスが出た後の声掛けをしっかりして、引きずらないようにしたいです」(高田商・大久保拓海)

 素晴らしいプレーの数々も、忘れたくない教訓も、甲子園球児の胸にしっかりと刻まれていた。近い将来、侍ジャパンのスピリットを受け継ぐ者が甲子園を沸かせる彼らのなかから現れることを期待したい。

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