【自転車】国内の強豪となったTeamUKYOが次に見据えるもの (2ページ目)

  • 西村章●構成・文 text by Nishimura Akira  高木秀彰●写真 photo by Takagi Hideaki

 自転車ロードレースの頂点ツール・ド・フランスの参戦は、競技に関わるものにとっては究極の目標であり、そこで勝つことは最高の栄誉だ。世界中のチームと選手が、この舞台で走ることを目標にしている。だが、そこに参加できるのは、UCI(国際自転車競技連合)が定めるワールドツアーチーム(2016年は18チーム)と、そのひとつ下のカテゴリーのプロコンチネンタルチームからレース主催者が選抜するワイルドカード4チームのみだ。

 現在のTeamUKYOは、プロコンチネンタルチームよりもさらにひとつ下のコンチネンタルチームという位置づけのカテゴリーに属している。つまり、まずはプロコンチネンタルチームとしての資格を得ることがツール・ド・フランス参戦の最低必要条件、ということになる。

 世界の自転車競技を統括するUCIからプロコンチネンタルチームとしてのライセンスを得るためには、当然ながらそれに応じた実績を挙げていなければならない。また、プロコンチネンタルとして活動を開始したとしても、ツール・ド・フランスの主催者『A.S.O.』から参戦させるに足ると判断されるだけの実力を備えていなければ、そもそもワイルドカード枠に推挙されるべくもない。

 それをたった5年で実現するとぶち上げたのだから、自転車ロードレースの世界を知る者であれば、無謀とわらうか大言壮語といなすのが、おそらくは普通の反応だっただろう。

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