【自転車】TeamUKYO始動。
2016年を戦う若き日本人選手たち

  • 西村章●構成・文 text by Nishimura Akira  photo by Sportiva

「でも、近い将来に我々が登録を目指すプロコンチネンタルチームは、レギュレーションではチーム内にその国籍(日本)の選手が全体の半数以上を占めていなければならない、という決まりがあるんです。さらに、チームが長期的に本場の欧州で戦っていく力をつけるためには、いつも話しているように、4年後の東京オリンピックが終わった後にどれだけのレベルに到達できているか――ということが重要です。だから、今現在の強さを求めることと同様か、それ以上に、若手選手を育成することにも、もっと力を注いでいかなければならないと考えているんです」

 チームのプロコンチネンタル登録を目指して、着々と地固めを続けるTeamUKYOは、2月には前述のツール・ド・フィリピンに参戦。3月上旬はクラス1ステージレース「ツール・ド・台湾」を戦った後に、3月下旬の宇都宮クリテリウムから日本国内シリーズのJプロツアーを戦う。そして5月は、アジアツアーのUCIレースで調整を兼ねた参戦を経て、いよいよツアー・オブ・ジャパンとツール・ド・熊野のシーズンを迎える。そのころになれば、今年のTeamUKYOの総合的な戦力は明らかになっているだろう。そして、その実力次第では、片山がチーム結成以来語り続けてきた中期的なチームの展望も、ある程度は見通せるようになっているかもしれない。

(次回に続く) 連載『遥かなるツール・ド・フランス』は毎月下旬に掲載

プロフィール

  • 片山右京

    片山右京 (かたやま・うきょう)

    1963年5月29日生まれ、神奈川県相模原市出身。1983年にFJ1600シリーズでレースデビューを果たし、1985年には全日本F3にステップアップ。1991年に全日本F3000シリーズチャンピオンとなる。その実績が認められて1992年、ラルースチームから日本人3人目のF1レギュラードライバーとして参戦。1993年にはティレルに移籍し、1994年の開幕戦ブラジルGPで5位に入賞して初ポイントを獲得。F1では1997年まで活動し、その後、ル・マン24時間耐久レースなどに参戦。一方、登山は幼いころから勤しんでおり、F1引退後はライフワークとして活動。キリマンジャロなど世界の名だたる山を登頂している。自転車はロードレースの選手として参加し始め、現在は自身の運営する「TeamUKYO」でチーム監督を務めている。

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