【自転車】片山右京が語る「52歳で210kmを走った理由」 (4ページ目)

  • 西村章●構成・文・写真 text & photo by Nishimura Akira

「ケガや体調を損なうリスクの可能性を考えると、自分が長時間のロードレースを走るのは、もうひょっとしたら難しいかもしれないですね。でも、ヒルクライムなら(競技の)時間も短いし、万が一、落車して転んでも、鎖骨を折るなんてよっぽどのことがないかぎりあり得ないだろうから、そういうのに参戦するのは悪くないのかなあ……なんて思ったりね。

 心の張りとか、コンディションの維持とか、年齢への挑戦とか、そういったことを考えると、『マウント富士ヒルクライム(富士スバルラインを5合目まで駆け上るサイクルイベント)』なんかに出てみるのは面白そうかもなあ、と思っています」

 そして、こうも付け加えた。

「逃げるのはラクで簡単だけど、僕の立場では、それをやってはダメなんですよ」

(次回に続く)

プロフィール

  • 片山右京

    片山右京 (かたやま・うきょう)

    1963年5月29日生まれ、神奈川県相模原市出身。1983年にFJ1600シリーズでレースデビューを果たし、1985年には全日本F3にステップアップ。1991年に全日本F3000シリーズチャンピオンとなる。その実績が認められて1992年、ラルースチームから日本人3人目のF1レギュラードライバーとして参戦。1993年にはティレルに移籍し、1994年の開幕戦ブラジルGPで5位に入賞して初ポイントを獲得。F1では1997年まで活動し、その後、ル・マン24時間耐久レースなどに参戦。一方、登山は幼いころから勤しんでおり、F1引退後はライフワークとして活動。キリマンジャロなど世界の名だたる山を登頂している。自転車はロードレースの選手として参加し始め、現在は自身の運営する「TeamUKYO」でチーム監督を務めている。

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