2015.08.18

【自転車】国内ロードレースがビジネスとして成功するためには?

  • 西村章●構成・文・写真 text & photo by Nishimura Akira

「営業的な意図としては、スポンサー企業やスポンサー候補企業の人たちに現場へ来てもらい、『自転車ロードレースって思っていたよりエキサイティングですごくスリリングだな』と思ってもらいたいのに、実際に会場に足を運んでみると、居場所はないし、日が照ると暑いし、雨が降ったら避ける場所もなくて荷物がビシャビシャに濡れてしまうような環境では、おそらく新たなスポンサーなんて見込めない。その意味でも、Jプロツアーの競技環境はもちろん、観戦環境の改善は、僕たちが取り組んでいくべき今後の大きな課題のひとつでしょうね」

 片山たちがこの競技に参入する以前からも、多くの関係者がこれらの課題に真剣に取り組み、将来の改善に向けて腐心をしてきた。一朝一夕で何かが一気に変わる――と考えるほど片山も無邪気ではないだろうし、当初に予想していたより手間暇のかかる難物であることは、今もっとも強く感じているかもしれない。だからこそ、それが今回の冒頭の言葉のような形になって現れるのだろう。

 だが、いずれにせよ、当初に自分が掲げた目標は決して揺るがない。その姿勢はいかにも、片山右京らしい。

「到達度の手応えは、最初に想定していた現段階の目標にまだ届いていないから、『ヤバいぞ、ヤバいぞ』って思わなくもないけど、僕はそういうときにこそ強いんです。数字や確率の高い低いは、実のところあまり関係なくて、長い目で見れば、たいしたダメージじゃないんですよ。だって、僕たちは必ず、そこへ行くんだから」

(次回に続く)

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