【自転車】国内ロードレースがビジネスとして成功するためには?
遥かなるツール・ド・フランス ~片山右京とTeamUKYOの挑戦~
【連載・第70回】
国内ロードレース選手権「Jプロツアー」で個人・チーム両部門での総合優勝を目指しつつ、来シーズン以降のチーム作りのためにシーズン中も精力的に動き回っているTeamUKYO監督の片山右京。チームの戦力をアップするうえで欠かせないスポンサーの存在について、どのような考えを持っているのか。日本の自転車ロードレース界が抱える課題など、チームトップとしての視点を聞いた。
TeamUKYOのクルマにペイントされたチームを支えるスポンサーのロゴ「僕には『これは無理だ......』と思うことがないんですよ」
そういって片山右京は笑う。
「積み重ねていくのに時間がかかるな、とか、ちょっと遠回りしているなと思うことはあるけれども、たとえ少しずつであったとしても、前に進んでいるし、目標には近づいている。『ツール・ド・フランスに行く』という目標は、『どうやったらF1に行けるんだろう』『エベレストに登るためにはどうすればいいんだろう』『パリダカにどうやって出ようか』というようなことと、僕にとってはなんら変わりがない。
自分の頭のなかに描いている勝手なイメージでは、広大な土地にチームの選手宿舎があって、駐車場にはトレーラーやチームバスがずらりと並んでいて、日本人選手や外国人選手がそこでトレーニングをしていて、日本でもサイクルロードレースがテレビ中継されていて、チームの事業もビジネスとしてきちんと回っている......という、そういう姿なんですが、そこに到達するためには、『ちょっと時間は長くかかりますけどね』とか、『最初のうちは、とても小さな規模なんですけどね』という、あくまでそういうことであってね。そういう意味では、たぶんナポレオンと同じで、『不可能という文字はない』んですよ」
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