【自転車】片山右京が痛感した「強い態度で臨む必要性」 (3ページ目)

  • 西村章●構成・文・写真 text & photo by Nishimura Akira

 ツール・ド・熊野はUCIレースであると同時に、Jプロツアーのカレンダーにも組み込まれている。このレースを終えて、TeamUKYOはJプロツアーランキングのチーム部門のトップを維持し、個人部門でもパブロ・ウルタスンが首位をキープ。以下、畑中勇介、窪木一茂、オスカル・プジョル、と上位4名をTeamUKYO勢が独占している。しかし、ライバルチームや選手たちとの差は、ツール・ド・熊野の前よりも縮まっている。また、5月の両UCIレースを上位成績で終えたライバル勢が、今後のレースではさらに勢いを増して肉薄してくることも明らかだ。

 さらに6月上旬には、TeamUKYOに所属するスペイン人選手3名が一時帰国した。彼らの再合流は、7月になる予定だ。6月のJプロツアーは第8戦・栂池高原ヒルクライム(6月7日)と第9戦・富士山ヒルクライム(6月21日)が予定されているが、これらのレースは若手選手たちを中心に戦っていくことになる。

 現在の自分たちを取り巻く状況について、片山は、「何事にも良いときがあれば、悪いときもある。そういう意味ではたしかに厳しい局面だけど、僕たちは乗り越えていけるだろうから、たいした問題じゃないんですよ」と、意外なほどさばさばした口調で話す。

「(TeamUKYOをスポンサードする)ZENRINの林秀美顧問や、吉野家ホールディングス会長の安部修仁さんから、『会社経営では死の谷を3回通過する』という話を聞いたことがあります。そういったあまりにダイナミックなものと比べれば、今、僕たちが直面しているのは、『またひとつ勉強をさせてもらいました』という程度。むしろ、やらなきゃいけないことがハッキリと見えてきたくらいです」

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