2015.05.18

【自転車】力量の問われる「ツアー・オブ・ジャパン」開幕

  • 西村章●構成・文 text by Nishimura Akira  photo by AFLO

「今の状況を映画で例えれば、ようやくプロローグが終わったあたり。問題が一歩だけ進んで、最初の大きな山場を控えて、『さあ、これからいよいよ、本格的に面白くなってくるぞ』というところでしょうね。傍目から見れば(笑)。でもね、中にいる当事者にしてみたら、考えなければならないことが山のようにあって、寝られないくらいホントに大変なんですよ」

 冗談交じりながら、「寝られない」と話すのは、チームを強くしていくとともに、そのチームを支える組織そのものを強くしなければならないからだ。それは今までに何度も片山が繰り返し主張してきたことだが、懸案事項のさまざまな要素が段階的に少しずつ前進し始めるに伴い、机上論や理想を語るのみではもはや許されず、それぞれが具体化を迫られるようになっているからでもあるのだろう。

「企業経営でよく、『年商3億の壁、10億の壁、30億の壁』などという表現をするように、チームも組織である以上、その過程でさまざまな壁に突き当たると思うんです。例えば、経理に強い人材を補充し、プロモーションやマネジメント面でも能力の高いスタッフを入れて……というふうに、選手たちと同じように優秀なラインアップを揃えなければならない。そして、そのスタッフがそれぞれの『脚質』を活かしながら、チームとして戦略を組んで活動することで、足腰のしっかりと据わった組織が組み上がる。