【自転車】TeamUKYOが目標とする「トップカテゴリー」の現状 (2ページ目)

  • 西村章●構成・文 text by Nishimura Akira  photo by AFLO

 このように、日本国内のシリーズ戦では強さを発揮しているものの、彼らの目標はあくまでも、サイクルロードレースの本場ヨーロッパで超一流チームたちがしのぎを削るワールドツアーのレースに参戦することである。そして、その究極の目標が「ツール・ド・フランス」であることは、これまでに何回も述べてきたとおりだ。

 ワールドツアーのレースに参戦するには、最低限でもプロコンチネンタルチームとして国際自転車競技連合(UCI)に登録されている必要がある。それを実現させるため、片山が身を粉(こ)にして日々走り回っていることも、いくつかのエピソードを交えながらこれまでに何度も述べてきた。

 サイクルロードレース界のピラミッドには、ワールドツアーチーム(前プロツアーチーム)、プロコンチネンタルチーム、コンチネンタルチームという3つの区分がある。コンチネンタルチームがプロコンチネンタルチームに昇格するためのハードルが非常に高いのと同様に、プロコンチネンタルチームのワールドツアーチーム昇格もまた、容易なことではない。この仕組みは、例えばJリーグのJ1を頂点とするピラミッド構造に似ているとも言えるだろう。

 UCIの定めるレギュレーションでは、ワールドツアーチームのライセンスは最大で18まで発給されることになっている。事実上は、長年ワールドツアーを戦ってきたチームが継続参戦するため、既存チームの解散や合併などで空きシートができない限り、新規参入は難しい。

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