【自転車】片山右京が開幕戦を分析「理想的な勝ち方」 (2ページ目)

  • 西村章●構成・文 text by Nishimura Akira  photo by Sportiva

 ただし、初戦こそ想定どおり、ほぼ完璧な形で勝てたものの、今後のシーズンの展開を考えると、TeamUKYOはけっしてライバル勢よりも有利なわけではないし、圧倒的な強さを持っているわけでもない、とも片山は語る。

 そう話す理由は、Jプロツアーの年間カレンダーには、様々な種類のレースが組み込まれているからだ。開幕戦のようなクリテリウム(※)もあれば、距離が長く起伏に富む公道や専用コースを走るロードレース、最初から最後まで激しい坂道が続く登攀(とうはん)路のタイムを競うヒルクライム、そしてチームや個人のタイムトライアルなど、バリエーションに富む様々な形式のレースがある。そのいずれでも、取りこぼしなく確実に上位でフィニッシュし続けなければ、個人とチームともにチャンピオンを獲得することは難しい。

※クリテリウム=公道を封鎖して1週数キロの周回コースを作り、その規定周回数の着順を争うレース形式。

 ライバル勢を見渡せば、ライバルチームや選手たちはいずれも強力な実力の持ち主ばかりだ。昨年までTeamUKYOに在籍し、今年からマトリックス・パワータグに移籍したホセ・ビセンテ(スペイン)はヒルクライムで圧倒的な強さを誇っている。宇都宮ブリッツェンの増田成幸も、昨年は富士山ヒルクライムやツール・ド・おきなわで優勝を飾った強豪だ。

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