【自転車】開幕戦を制したTeamUKYO。その勝因は? (2ページ目)

  • 西村章●構成・文・写真 text & photo by Nishimura Akira

 レース開始に先だち、今回の開幕戦の1週間前(3月8日)、練習中の事故により不慮の死をとげた和田力選手(マトリックス・パワータグ)へ1分間の黙祷が献げられ、1周目はマトリックスの選手たちを先頭に和田選手追悼のパレードランとなった。

 2周目がリアルスタートとなり、ここから本格的な戦いが始まった。レース序盤は、数名の選手が集団からの逃げを計るものの、集団を牽引してコントロールする土井やプジョルのTeamUKYO勢がそれを許さず、緊張感をはらんだまま周回を重ねていった。9周目にはグアルディオラら数名が飛び出して逃げ集団を構成するが、今度は昨年のチームチャンピオン・宇都宮ブリッツェンらがメイン集団を巧みにコントロールして牽引し、トップグループは大集団のままレースは終盤にさしかかった。

 ラスト3周となったところで、長いホームストレートのコントロールライン手前で大人数の落車が発生。この落車した集団が次の周回でレースへの復帰を計った際、今度はコントロールラインを通過したところで再び集団大落車が発生してしまう。このようなアクシデントは不可抗力という側面があるものの、上位選手と下位のレベル差が激しいために起きたことで、Jプロツアーの課題が悪い形で露呈してしまったともいえるだろう。また、選手たちのレース復帰に際して、やや混乱が生じていたのも事実だ。ともあれ、今回の出来事を教訓として、運営側にはさらに安全で競技性の高いレース進行と統制を期待したい。

2 / 5

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る