2014.11.10

【自転車】片山右京「ひたむきな努力に無駄なものはない」

  • 西村章●構成・文 text by Nishimura Akira 甲斐啓二郎●写真 photo by Kai Keijiro

「たしかに、そういう主張は世の中にあるし、その必要性も分からないではないけれども、まず全力で挑戦を開始すべきときには、そんなことは考えなくてもいいんじゃないかな。そんなことを考えていたら、絶対に成功するわけがない。

 大人になってからのリクルーティングや、大事な局面で事故をした場合の保険、という意味では、セーフティネットやセカンドオプションという考え方も、時に応じて必要になることもあるだろうけど、子どもたちに、『努力をしたからって、誰でも夢が叶うわけじゃないんだよ』なんて言う必要は、まったくない。

 これは結果論的で、月並みな言い方になってしまうけれども、努力をしたことは決して無駄にはならない。全力で努力して、地団駄を踏んで泣いた経験のないような人に限って、そういうことを言うのかもしれない。中途半端にしかやらなかったから、あきらめきれないし、辞められないし、相手のことを認めない。

 ライバルをつぶしてやりたいと思うくらい努力をした人なら、むしろそんなことはいわないと思いますよ。強い相手に対しては、やがて相手の実力を素直に認めるようになるし、そこまで自分が精一杯できる限りの努力したのなら、あきらめることもできる。だから、頑張って自分は何かになるんだ――と、ひたむきに続ける努力に、無駄なものなど何もないんです。生きているというのは、結局そういうことだと思うんですよね」

(次回に続く)

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