2014.06.30

【自転車】片山右京「チーム初の欧州レースで得られるもの」

  • 西村章●構成・文・写真 text & photo by Nishimura Akira

「資産を計算したり、スタッフを面接したり、チーム拠点の予定地を見たり、合宿所の見学をしたり……。まあ、普通のことばかりですよ。実際に向こうへ行ってみて、話をしたり、視察した結果、『やっぱりダメだった……』ということはいくらでもあると思う。だけど、そういう失敗からも、次に向けて何かを学ぶことはできる。

 いずれにせよ、『百聞は一見に如かず』。メールや電話でどれほどやりとりをしていても、直接会って話せば、『この人は信用できるな。任せても大丈夫だな』とか、逆に、『こいつは調子のいいこと言っているけど、どうも嘘つきっぽいな』とか(笑)、分かることはたくさんあるじゃないですか。少なくとも自分自身は、今までそうやって人との関係を築きあげてきましたから」

 幸いなことに、片山が四輪選手で活動していた時代の名残が、今でも欧州に残っている。現役当時のオフィスは休眠状態であるものの、組織はいまだに継続している。そのころから活動をともにする現在のTeamUKYOゼネラルマネージャーは、フランス語に堪能な人物だ。

 また、マネージャーといえば、片山が最初にF1参戦した1992年に所属していたラルース・チームのマネージャーは、現在、「A.S.O.」の役員に就任しているという。「A.S.O.」とは、かつて片山も参戦したダカールラリーを運営する企業であり、現在の片山にとってさらに重要なのは、この組織がツール・ド・フランスを運営しているという事実だ。

 かつて、成田空港のカウンターで、「フランスまで、大人1枚」と航空券を買おうとした青年が無謀な挑戦を行ない、その成果として残してきた数々の足跡は、はからずも偶然の伏線として、グランツールを目指す新たなる無謀な挑戦の「有効な礎(いしずえ)」になっている。

 そして、フランスでは今週末の7月5日から、いよいよ101回目のツール・ド・フランスが開幕する。

(次回に続く)

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