【新車のツボ173】ランドローバー・ディフェンダー。オシャレで高性能、今ふうSUVに生まれ変わってもレガシーはそのまま (4ページ目)

  • 佐野弘宗●取材・文・写真 text & photo by Sano Hiromune

 こういう仕立てが許されるのも、歴代ディフェンダーが世界最高の作業用四輪駆動車として評価されて、シンプルな機能美こそがツボとして認知されてきたからだ。

 新型ディフェンダーはボディの造形も当然のごとく、まったく新しい。そのビジュアルに先代のような作業車的な武骨感はまるでなく、いかにもオシャレなライフスタイル商品っぽく、古典的な雰囲気もまるでない。なのに、ディフェンダー以外のナニモノにも見えない。

 フロントからリアに貫通する水平なショルダーラインやスパッと垂直に切り落としたボディ前後、フロントウインドウの角度、そして四角いグリルと丸形(風)ヘッドライトの位置関係......などなど、ディフェンダーがディフェンダーに見えるツボを絶妙に突いたデザインは、これぞプロのプロダクトデザイナーの仕事だ。そして、こういう自分たちの歴史的遺産(今ハヤリの言葉でいうとレガシーか!?)をうまく活用するツボは、英国車ブランドは本当に大得意である。

【スペック】
ランドローバー・ディフェンダー110 P300
全長×全幅×全高:4945×1995×1970mm
ホイールベース:3020mm
車両重量:2240kg
エンジン:直列4気筒ツインカムターボ・1995cc
最高出力:300ps/5500rpm
最大トルク:400Nm/2000rpm
変速機:8AT
WLTCモード燃費:8.3km/L
乗車定員:5名
車両本体価格:619万円
※スペックは2021年モデル、取材車は2020年モデル

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