【新車のツボ172】スバル・レヴォーグ。旬なハイテクだけじゃない。地力が魅力のイヤーカー (3ページ目)

  • 佐野弘宗●取材・文 text by Sano Hiromune
  • photo by SUBARU

 新世代アイサイトの基本機能は、新型レヴォーグに最初から備わっている最新のレーダーやステレオカメラによるものだ。たとえば、緊急自動ブレーキでは交差点での出会いがしら事故や、歩行者や自転車の横断事故の回避能力が飛躍的にアップしているのも、新型レヴォーグの大きな特徴である。また、高速での追従クルーズでも、"X"のようなハンズオフ走行や半自動車線変更はできずとも、ピタリと直進して、車線維持アシストは自然そのもので、追い越しをかけるときも車線変更と同時にジワリと絶妙に加速しはじめる。リアルな交通環境で、自分の運転がうまくなったと錯覚するほどきれいに走る。

 それに、新型レヴォーグは最上級モデルにスバル初の電子制御可変ダンパーも搭載しており、あるときは高級サルーンのように柔らかく、同時にサーキットなどではスポーツカーを蹴散らすくらい鋭く走る二面性をもつ。これもまた、このクルマが高く評価された点のひとつだが、電子制御可変ダンパーをもたない普通のモデルでもすこぶる走りがいい。

 写真の新型レヴォーグも可変ダンパーをもたない"GT-H"というグレードだが、街中のようなごく低速でこそ少しゴツゴツするものの、車速が60km/hに達するあたりから、まるで血が通い出したかのように、サスペンションが生き生きと動き出す。ツギハギだらけの悪い路面を高速で通りぬけてもスイスイとしなやかに吸収してくれるし、コーナリングは正確無比......でありながら、乗り心地そのものはゆったりと大人っぽい。その高度にバランスした乗り味には本当にホレボレする。

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