【新車のツボ170】トヨタRAV4。これは新しい時代のスポーツカー? (2ページ目)

  • 佐野弘宗●取材・文・写真 text & photo by Sano Hiromune

 PHVとは「外部充電が可能で、電池残量があるうちは電気自動車(EV)として走り、電池が底をついてもハイブリッド車としてガソリンで走れるクルマ」である。RAV4 PHVは満充電で95km(WLTCモード)という航続性能をもつから、自宅に充電設備があれば、通勤・通学や近所の買い物などの日常生活は、ガソリン給油はほぼ不要で、EVとして使える。これはつまり"一石二鳥"というか"ニコイチ"というか、おそらくどちらの表現もPHVのツボは突いていない(苦笑)が、将来的な"脱ガソリン"につながるという意味で、純粋なEVに次ぐ環境車として期待されている。

 もっとも、PHVを環境車としてだけ考えると「大量の電池に加えてエンジンも積むなんて、本当に環境にいいの?」と疑問に思わなくもない。しかし、このクルマにかぎっては、そういう小難しい理屈ではないところに最大の魅力がある。そのツボはずばり"速い"ことだ。

 RAV4 PHVも2.5リッターエンジンに前後2個のモーター......という基本構成までは既存のRAV4ハイブリッドと同じ。ただ、PHVならではの大容量電池に合わせてフロントモーターを1.5倍ほどにパワーアップしている。その電池とモーター、そして2.5リッターエンジンをフル動員した瞬間のシステム出力は306馬力! 普通のRAV4ハイブリッドのそれが218馬力だから、じつに1.4倍だ。

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