【新車のツボ168】スズキ・ハスラー。ニッチなはずが今やド定番のすごいヤツ

  • 佐野弘宗●取材・文・写真 text & photo by Sano Hiromune

 そんな2代目ハスラーのスタイリングもパッと見はハスラー以外のナニモノでもないのだが、ほどよい前傾姿勢と極太のCピラー(リアドア後方のボディ支柱)が特徴だった初代のデザインとは一転して、この2代目は全体に水平基調でCピラーには窓も追加されている。しかも、ボンネットがスズキのオフロード車伝統に通じるクラムシェル(貝殻)形状になったり、2トーンカラーも幌屋根を模した塗り分けになったり......と、実際の造形技法、手デザインのツボは初代とは別物なのだそうだ。

 また、今回の開発責任者が性能開発畑出身のエンジニアであることも影響しているのか、静粛性や乗り心地は従来のスズキ軽のレベルを完全に一段階レベルアップされた感がある。車高の高さを生かしたほどよく柔らかい乗り心地でありながら、高速での直線性や山坂道での安心感は驚くほど高い。

 そのエンジンルームやドア開口部を見ると、ていねいに貼り込まれた遮音・吸音材やゴムシールが頼もしいのだが、「本当はこういう追加物なしに、エンジンやボディの基本設計だけで静かにするのが本当です」と頭をかく開発陣のプロ根性には感心する。われわれ買う側のシロートとしては、こういう実際に手間のかかったつくりのほうがツボがあって嬉しいんだけどね。

【スペック】
スズキ・ハスラー・ハイブリッドXターボ(4WD)
全長×全幅×全高:3395×1475×1680mm
ホイールベース:2460mm
車両重量:880kg
エンジン:直列3気筒DOHCターボ・658cc
最高出力:64ps/6000rpm
最大トルク:98Nm/3000rpm
変速機:CVT
WLTCモード燃費:20.8km/L
乗車定員:4名
車両本体価格:174万6800円

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