【新車のツボ168】スズキ・ハスラー。ニッチなはずが今やド定番のすごいヤツ (2ページ目)

  • 佐野弘宗●取材・文・写真 text & photo by Sano Hiromune

 もっとも、それ以前に軽のSUVがなかったわけではない。たとえば、1980年代終盤から90年代半ばにかけてのクロスカントリー車ブーム(今から思えば第一次SUVブーム)期には、各社が競って軽クロカン(今でいうSUV)を用意した。しかし、それも2000年代になると明らかに下火となり、スズキのジムニー以外は結局のところ姿を消してしまう。

 初代ハスラーの発売時期から考えて、それが企画構想されたのは2011~2012年ごろと考えられるが、当時はまだクロスオーバーSUVブームも本格化していなかった。だから、ハスラー誕生のキッカケも「世界で流行っているクロスオーバーを軽でつくれ!」といった発想ではなかったという。

 スズキにはかつて、Keiというクルマ(写真参照)があった。それは普通のハッチバックの車高を少しリフトアップした「ポストクロカン」的なツボの商品だった。発売は1998年。今から思えば現代のクロスオーバーSUVのハシリでもあるのだが、現役当時は正直いってヒット商品とはいえなかった。

こちらがスズキのKeiこちらがスズキのKei

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