【新車のツボ167】メルセデスAMG A45S 4マチック+。これがF1なのか...の目まぐるしい速さ (3ページ目)

  • 佐野弘宗●取材・文・写真 text & photo by Sano Hiromune

 ボンネット下の2.0リッター4気筒ターボエンジンにはAMG伝統のハンドメイドの証として、組み立てを担当したクラフトマンのサイン入りプレートが貼られる。そして、その最高出力はなんと421PS!!! 2.0リッターターボといえば10年ほど前なら280psでもすこぶる高性能といえたし、わが日本が誇るホンダのシビック・タイプR(第144回参照)ですら320ps。そう考えると、421psがいかにスゴイかが分かる。

 高度に電子制御される最新直噴エンジンはいかに高性能といえども、驚くほど静かでスムーズなものが多いが、さすがに2.0リッターで421ps......という超絶レベルの性能になると、さすがにそうもいかないらしい。

 その証拠にA45Sはアイドリング中から不穏な身震いが止まらず、アクセルを踏んだ瞬間に、ヒステリックな爆音とともに、エンジン回転計が飛び跳ねるように吹ける。最近のクルマはエンジンルームを眺めてもとくに面白みがないケースが大半で、このA45Sのそれも一見するだけでは、前記のサイン入りプレート以外に特徴がないようにも思える。しかし、よく観察すると、カバーからちょっとだけハミだしたターボチャージャーはギチギチに詰め込まれた巨大なもので、その周辺に貼りめぐらされた遮熱処理がレーシングマシン風にモノモノしいのがツボである。

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