【新車のツボ166】ダイハツ・ロッキー。5ナンバーのカッコエエやつ (3ページ目)

  • 佐野弘宗●取材・文・写真 text & photo by Sano Hiromune

 実際、両車のデザインを見比べてみても、どちらも商品性が高い。両車共通の基本プロポーションは四角く力強い。1695mmという5ナンバー枠いっぱいの全幅を生かした軽自動車とは明らかに異なる縦横比は、小型乗用車ならではの安定感がある。また、リアのピラー(=支柱)を黒く目隠しするデザインは、かつてのテリオスやビーゴに通じるダイハツSUV伝統のツボでもある。

 それぞれの顔デザインもライズのそれはRAV4(第157回参照)の人気にあやかろうという意図が見え見えで、ロッキーはロッキーで、大面積縦型グリルがいかにも今風である。これらのデザインを「あざとい」と断ずるご意見番筋もいるようだが、少なくともわかりやすい。そこに多くの日本人が好印象を抱いているのも、その売れっぷりから明らかだ。

 ロッキーは"DNGA(=ダイハツ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー)"と称して、骨格設計や変速機、4WDシステムまで新開発されている点もツボらしい。そういわれると、ロッキーは車重も軽く、そのわりに乗り味はしっかりしていて、高速でも静か。動力性能は1.0リッターとは思えないほどのパンチがあるし、右足に対する加減速反応も素直で運転しやすい。4WDはライバルとなるスズキより高度な電子制御式で、滑りやすい路面での安心感も高いうえに、グリップの高い舗装路でも4WDの恩恵が受けられる。

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