【新車のツボ164】コペンGRスポーツトヨタがイジッたダイハツ製スポーツカー (4ページ目)

  • 佐野弘宗●取材・文・写真 text & photo by Sano Hiromune

 今回のコペンGRスポーツも味つけの責任者はあくまでダイハツだが、細かい技術や開発手法などに、トヨタGRカンパニーの知見をあますところなく投入したのだという。いわれてみれば、ただダウンフォースを発生させるのではない"空力操安"というべき技術や、"柔よく剛を制す"というべき味つけは、多くのGR物件に共通するツボである。クルマは機械ではあるけれど、つくり手のクセや性格が、かならず味として出てしまうものだ。

 このクルマはダイハツとトヨタの共同作品ということで、トヨタとダイハツの両販売店で購入可能である(GRスポーツ以外のコペンはダイハツでしか買えない)。コペンはダイハツのイメージリーダーにして精神的支柱というべき商品であり、GRといってもやはりダイハツで買うべきか......と思う反面、これはトヨタがいたからこそ実現した商品でもあり、純粋な顧客サービスはトヨタのほうが良さそうだしなあ......。いらぬ皮算用まで止まらなくさせてしまうコペンGRスポーツは、なんとも罪なツボをもったクルマである。

【スペック】
コペンGRスポーツ
全長×全幅×全高:3395×1475×1280mm
ホイールベース:2230mm
車両重量:870kg
エンジン:直列3気筒DOHCターボ・658cc
最高出力:64ps/6400rpm
最大トルク:92Nm/3200rpm
変速機:CVT
WLTCモード燃費:19.2km/L
乗車定員:2名
車両本体価格:238万円

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