【新車のツボ163】プジョー3008。超小径ステアリングホイールが走りの快感につながる (2ページ目)

  • 佐野弘宗●取材・文・写真 text & photo by Sano Hiromune

 ちなみに、タバレスさんはルノー在籍時には日本の日産に赴任していた時期もあり、ルノーCEO時代にはルーテシアR.S(第66回参照)によるワンメイクレースに自身がドライバーとして参戦していたほどのカーガイだ。世界最大市場の中国を含めたアジアでの業績が上位3グループに及ばないのがPSA+FCA連合の弱点だが、彼ら本来の足場である欧米市場での存在感はちょっとスゴい。

 もともとPSAの勢いが目立っていた欧州では、プジョー、シトロエン、DS、オペル、ヴォクスホールといった旧PSA傘下ブランドに、フィアット、アルファロメオ、マセラティ、ランチアなどの旧FCAのそれが加わるわけで、欧州だけならシェアトップも見えてくる(?)ほどの充実ぶりだ。そして、世界で2番目に大きい北米市場は、もちろん、ジープ、ダッジ、クライスラーなどを抱える旧FCAの得意領域である。

 ただ、昨今の自動車産業がこぞって巨大グループ化する大きな理由のひとつが、"目に見えない基本骨格やメカニズム部分の共用による開発・製造コストの効率化"である。それを考えると「これだけ膨大なブランドを抱えて、ちゃんと作り分けできるの!?」という疑念がなくはない。しかし、それこそ新グループでも実質的な陣頭指揮役のCEOに就任するタバレスさんの得意とするところなのは、これまでのPSAの商品を見れば納得である。

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