【新車のツボ159】スズキ・スイフトスポーツ。
お手軽スポーティカーで孤高の存在

  • 佐野弘宗●取材・文・写真
  • text & photo by Sano Hiromune

 スイフトスポーツはボクシングでたとえるなら、フライ級のボディにウェルター級のパンチを組み合わせたようなクルマである。だから、アクセルを踏んだ瞬間の加速力は、いい意味で(?)ブン殴られたような鋭さと強さだ。さらに荒っぽいアクセル操作だと、優秀なトラクションコントロールのスキを突くようにフロントタイヤ(=駆動輪)がギャリっと路面を掻くのが好事家にはたまらないツボだ。

 さらに、スイフトスポーツの美点は、加速側のレスポンスだけでなく、アクセルを緩めたときのエンジンブレーキも俊敏なことで、わずかでステアリングが切れた旋回状態であれば、アクセルオンで加速しながら走行ラインがふくらみ、アクセルオフだと逆にインに食いつくかのように曲がる。

 スイフトスポーツを開発した技術者によると「トルクウェイトレシオが高いほど、ヨーコントロール性がいい」のがこのクルマのツボだという。クルマに興味のない人には意味不明の暗号文にしか思えないが、あえて直訳すると「車重に対してエンジンが怪力であるほど、旋回方向の反応が高まり、操縦性の幅が広がる」となるだろうか。いずれにしても、マニアすぎてほぼわからないが......(笑)。

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