【新車のツボ156】歴代最高のZ4。ミドル級スポーツカー希望の星 (2ページ目)

  • 佐野弘宗●取材・文・写真
  • text & photo by Sano Hiromune

 なかでもCO2排出規制は欧州(EU)のそれがヒステリックなまでに厳しく、しかも今後もグイグイと締め上げられていく予定なので、地元の欧州メーカーの大半は「今は遊びグルマなどつくっている場合ではない」というのが本音という。昔からスポーツカーをつくってきた欧州ブランドがそれでは、スポーツカーが減るのも当然だ。そういえば、欧州ではスポーツカーが激減しただけでなく、つい最近まで彼らの定番だったお手軽な小型オープンカーもほぼ消滅してしまった。

 ちなみに、従来のZ4の販売台数はボクスター/ケイマンやアウディTTの半分以下だった。業績だけなら、このご時世では廃止されても不思議はなかった(?)Z4だが、とにもかくにも新型が登場した。新型Z4はクルマの良し悪し以前に「こんな時代に新しいミドルクラス・スポーツカーが出た!」というだけで、マニア筋は土下座して感謝すべきツボだ。

 もうひとつ、これまたマニアにはよく知られるとおり、新型Z4は日本のトヨタが約17年ぶりに復活させた新型スープラ(下写真)と共同開発・共同生産される兄弟車でもある。Z4が数々の障害を乗り越えて新型の発売にこぎつけられたのも、開発・生産コストや販売台数をトヨタと分担できるから......という後ろ盾が決定打となったと見て間違いない。

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