【新車のツボ152】アウディRS3セダン。民主的に味わえる猛速に感服 (4ページ目)

  • 佐野弘宗●取材・文・写真 text & photo by Sano Hiromune

 しかし、それはRS3がイメージだけの雰囲気グルマという意味ではない。むしろその逆だ。RS3をフル加速させれば、かけ値なしで意識が飛びそうになるし、本気でコーナリングすれば運転していても目が回りそうになる。こんな猛烈な速さがこれほど民主的に味わえるなんて、やっぱり今の技術はスゴい。

 ......とか言いつつ、その驚くほど快適でイージーな乗り味の向こう側に、どことなく不気味な迫力とヒリヒリとした緊張感がRS3にただようのは、ハッチバックより剛性的に有利なセダンボディをもってしても、このサイズに400馬力とはやはり絶対的にトンデモな性能だからだろう。しかも、5気筒の回転には4気筒や6気筒にはない独特のアンバランスなビート感があり、それがまた乗っている人間の胸の中もしくは下腹部をゾワゾワさせる。

 日本ではやけにすかした高級品のイメージが強いアウディだが、屈指のレーシングなイメージに最新技術をもってしてもおさえきれない過剰パフォーマンス......と、いろんなツボにあふれる超絶マニア物件である。

【スペック】
アウディRS3セダン
全長×全幅×全高:4480×1800×1380mm
ホイールベース:2630mm
車両重量:1600kg
エンジン:直列5気筒DOHCターボ・2480cc
最高出力:400ps/5850-7000rpm
最大トルク:480Nm/1700-5850rpm
変速機:7DCT
JC08モード燃費:11.0km/L
乗車定員:5名
車両本体価格:780万円

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