【新車のツボ148】三菱エクリプスクロス。伝統の味はこれで最後か!? (2ページ目)

  • 佐野弘宗●取材・文・写真 text & photo by Sano Hiromune

 エクリプスクロスはご覧のように、いわゆるSUVである。全長4.4mのボディサイズは国際的に"コンパクトSUV"と呼ばれるクラスで、世界的にも今もっとも売れ筋のジャンル。かつては高級セダンやスポーツカーまでフルラインで用意していた三菱も、数年前に自分たちは"SUVの三菱"でいくと決意したという。それゆえに、こうして三菱が久しぶりに世に出す新車も、必然的にSUVである。

 そんなエクリプスクロス最大のツボは、前のめりな姿勢と強く寝かせた前後ウインドウ......が特徴のスポーティなクーペルックである。ただ、よくよく見ると、背丈はキッチリと高いし、ウインドウは寝ているけど屋根の水平部分はそれなりに長い。というわけで、エクリプスクロスの室内は窓が小さくて閉所感はあるものの、実際の居住空間やトランクはせまくない。それに最低地上高もたっぷりで、こんなナリして悪路走破性もけっこう自慢らしい。

 イマドキのSUVにはそういう実用性や悪路性能といったツボを完全無視して"ただただカッコだけ"みたいなシロモノも少なくない。しかし、さすがはかつてパリダカでブイブイいわせた三菱が「自分たちはSUVでいく」と決めたうえでのSUVだけに、エクリプスクロスは意外なほど真面目なクルマなのだ。

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